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サイバー攻撃関連

今週のセキュリティニュース - 2025年10月17日

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対象期間:10月14日〜10月17日
執筆者:ISRセキュリティニュース編集局

はじめに

週刊インシデントまとめへようこそ!
ここでは、国内・国外で過去数日間に起こったサイバーセキュリティ関連のニュースやレポートなど、知っておくべきことをお伝えします。ぜひご覧ください。

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ランサムウェア
ランサムウェア

専門家が解説!今週のサイバーセキュリティの脅威と対策のポイント

今週のハイライト
今週のハイライト
  • 国内外でランサムウェア被害が増加中
  • 英国では重大なサイバー攻撃がほぼ2日に1回発生
  • 有効な認証情報を狙った不正アクセスが拡大

今年に入り、国内ではトレンドマイクロによる報告で、ランサムウェア「Qilin(キーリン)」を用いた攻撃が活発化しているとされています。このランサムウェアはスピアフィッシングやネットワーク機器の弱点を突いた侵入で被害を拡大中です。すでに国内の大手飲料メーカーが攻撃を受け、業務に影響が出たことを公表しています。
また、英国の国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)の報告では、ランサムウェアのような重大なサイバー攻撃が前年比で50%増加しているとのことです。

こうした攻撃の侵入経路のひとつとして、何らかの形で入手した正規の認証情報を用いて不正にアクセスする手口も報告されています。この手口はシステムの脆弱性を突く必要がない一方で、ヒューマンエラーなどを起点に発生しやすく、どの組織でも起こり得る点が特徴です。

実際に、SonicWallのVPN製品では、有効なログイン情報を攻撃者が直接利用して侵入する不正アクセスが確認されました。これは、情報漏洩などで手に入れた正しい認証情報をそのまま使う点で、従来の脆弱性攻撃とは異なる手口であり、パスワードの弱さや情報漏洩対策の重要性を改めて示しています。

こうした状況を踏まえ、個人も企業も「攻撃を完全に防ぐことは困難」と認識し、被害を最小限に抑える準備が極めて重要です。具体的には、CloudGate UNOのようなID管理プラットフォームによって、多要素認証(MFA)を導入し認証を強化したり、利用者のアクセス制限を必要最小限に設定し、不要なアカウントや特権は削除しておくことも有効です。加えて、万が一の事態に備え、迅速に対応できるインシデント対応計画を整えておくことが求められます。

認証セキュリティの強化をご検討中でしたら、ぜひ弊社までご相談ください。クラウドサービスへの多要素認証(MFA)導入やパスワードレス認証に関するオンライン無料相談を受け付けております。

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国内の主なインシデント

活発化するランサムウェア「Qilin」:その手口と対策

トレンドマイクロ株式会社が、各種報道で目にするランサムウェア「Qilin」についての解説を公開しました。

トレンドマイクロによると、ランサムウェア「Qilin(キーリン)」は2022年頃から登場したランサムウェアで、2025年に入ってから活動がより活発になっているとのことです。この攻撃の第一段階は、スピアフィッシングと呼ばれる特定の人や組織を狙った手口のほか、ネットワーク機器の脆弱性を突いて侵入する手口が報告されているといいます。

推奨される対策としては、パスキーなどによる適切な認証方法の導入や、適切なアクセス権限の付与のほか、ネットワーク機器や社内端末の脆弱性の把握・解消などが挙げられます。

活発化するランサムウェア「Qilin」:その手口と対策 | ISRセキュリティニュース編集局

大手飲料メーカーへのサイバー攻撃、海外犯罪集団が犯行声明

大手飲料メーカーが9月下旬、サイバー攻撃を受けたと公表した問題で、同社は10月上旬に続報を発表しました。それによると、今回のサイバー攻撃はランサムウェア攻撃であり、各種業務にも支障が生じているといいます。

なお、海外のサイバー犯罪集団が犯行声明を発表、身代金を要求しているという報道もあります。

被害企業側は、今回の攻撃によって流出した疑いのある情報をインターネット上で確認したとしています。また、流出した疑いのある情報の内容や範囲は調査中であると公表しており、情報漏洩の影響が確認された場合には速やかにお知らせするとしています。

大手飲料メーカーへのサイバー攻撃、海外犯罪集団が犯行声明 | ISRセキュリティニュース編集局

国外の主なインシデント

英国におけるサイバー攻撃の脅威増大と対応の急務

英国の国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)が発表した年次報告によると、過去1年間で「国家的に重大」とされるサイバー攻撃が50%増加し、現在はほぼ2日に1回のペースで発生していることが明らかになりました。

NCSCは、これらの攻撃の多くがランサムウェアによるもので、金銭目的の犯罪者が関与していると指摘しています。また、社会全体でテクノロジーへの依存が高まり、攻撃を可能にする標的が増えていることにも起因しています。

こうした状況を受け、政府高官らは、ITインフラが停止する最悪の事態に備えた緊急対応計画の策定を各組織に促しています。特に大企業に対しては、サイバーレジリエンスを取締役会レベルの責任事項として位置づけ、経営層が主導してリスク管理の徹底を求めています。

英国におけるサイバー攻撃の脅威増大と対応の急務 | ISRセキュリティニュース編集局

有効な認証情報を用いたSonicWall SSLVPNへの広範な不正アクセスが判明

セキュリティ企業Huntressによると、SonicWallのSSLVPNデバイスが相次いで侵害され少なくとも16の顧客環境で100件以上のアカウントが影響を受けたことが確認されました。

この攻撃の特徴は、ハッカーがブルートフォースではなく有効な認証情報を用いて直接ログインしていると見られる点にあり、Huntressの研究者は、そのログイン速度から攻撃者が本物の認証情報を入手しているか、または別のログイン手法を確立していると指摘しています。

昨年8月にも既知の脆弱性と古いパスワードが原因で同様の攻撃が発生し、SonicWallが注意を呼びかけていました。今回、別の製品の侵害報告と時期を同じくして再び類似の攻撃が確認されていますが、公式な説明はまだ出ていません。

有効な認証情報を用いたSonicWall SSLVPNへの広範な不正アクセスが判明 | ISRセキュリティニュース編集局

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