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サイバー攻撃関連

今週のセキュリティニュース - 2025年9月5日

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対象期間:9月1日〜9月5日
執筆者:ISRセキュリティニュース編集局

はじめに

週刊インシデントまとめへようこそ!
ここでは、国内・国外で過去数日間に起こったサイバーセキュリティ関連のニュースやレポートなど、知っておくべきことをお伝えします。ぜひご覧ください。

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製造業
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フィッシング
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専門家が解説!今週のサイバーセキュリティの脅威と対策のポイント

今週のハイライト
今週のハイライト
  • 国内製造業での情報流出の可能性とフィッシングの増加
  • グローバル企業に広がるサプライチェーン攻撃
  • 米国の信用情報機関から大規模なデータ流出

最近公表された国内外のレポートや発表から、国内外でサイバー攻撃や情報流出に関する発表が相次ぎました。フィッシング対策協議会によると、7月の報告件数は前月から増加し、証券会社を装い多要素認証設定を騙る手口が確認されました。また、製造業の企業では、サーバーへの不正アクセスにより約19万件の顧客情報が流出した可能性があるとの報道がありました。当該企業は一時業務停止に至っていましたが、現在は解除され、迅速な事後対応が求められています。

国外では、AIチャットボット「Drift」を提供するSalesloft社が標的となり、複数のクラウドサービスに接続可能な認証トークンが大量に流出しました。攻撃手法は現在調査中ですが、主に米国の企業が影響を受けています。さらに、米国の信用情報機関では440万人分の個人情報漏洩を公表。社会保障番号などの機微情報が含まれているため、不正なローン契約やなりすまし口座開設などの二次的被害リスクが懸念されます。被害者には信用情報凍結や多要素認証設定といった対策を講じることが推奨されます。

これらの事例は、認証情報の厳格な管理が不可欠であることを改めて示しています。企業はすべてのアクセスを検証するゼロトラストモデルを実践し、すべてのアクセスを常に検証する考え方を徹底すべきです。また、OAuthトークンAPIキーの利用状況を定期的に監査し、不要な権限は速やかに無効化することも重要です。これらの対策を講じることで、正規の認証情報が悪用されるリスクを大幅に減らすことができるでしょう。

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国内の主なインシデント

フィッシング報告状況に関する月次レポート - フィッシング対策協議会

フィッシング対策協議会は8月21日、2025年7月のフィッシング報告状況に関する月次レポートを公開しました。

このレポートによると、7月に寄せられたフィッシング報告件数・サイトURL件数ともに前月より増加しているとのことです。実際に報告された証券会社をかたるフィッシングメールの中には、多要素認証設定依頼や補償に関するメール等を装ったものも含まれるとのことです。

対策として、安易にメールやSMSのリンクはクリックしない、よりフィッシング耐性の高い認証方式や追加のセキュリティ対策を組み合わせるなど、複数の対策を併用することが重要だと考えられます。

フィッシング報告状況に関する月次レポート - フィッシング対策協議会 | ISRセキュリティニュース編集局
参照: フィッシング対策協議会2025/07 フィッシング報告状況

国内製造業における不正アクセスと情報流出の可能性

製造業を営む某企業は、8月中旬に第三者からのサーバーへの不正アクセスを受け、システム障害が発生したと発表しました。その後の調査により、情報流出の可能性があることが判明しました。

流出した可能性のある情報は約19万件にのぼり、顧客や取引先の企業名・住所、製品の配送情報などが含まれているとのことですが、現時点で情報の悪用被害は確認されていないとしています。

当該企業は本件について謝罪するとともに、外部の専門機関と連携して調査を進めるとしています。また、業務の完全復旧に向けて対応するとしています。

国内製造業における不正アクセスと情報流出の可能性 | ISRセキュリティニュース編集局

国外の主なインシデント

AIチャットボット「Drift」の認証情報流出

AIチャットボット「Drift」を提供するSalesloft社で、大規模な認証情報の流出が発生しました。今回の攻撃では、顧客とのやり取りをSalesforceのリードに変換する仕組みが狙われ、盗まれた認証トークンはSalesforceだけでなく、SlackやGoogle Workspaceなど数百のサービスに接続可能だったとGoogleの脅威インテリジェンスグループ(GTIG)が明らかにしました。

GTIGは、ハッカー集団「UNC6395」がこの攻撃に関与していると警告。AWSやVPNの認証情報なども盗まれたと指摘し、一部のGoogle Workspaceアカウントへの不正アクセスも確認されています。Googleは、企業に対しSalesloftと連携するすべてのサービスのトークンを直ちに無効化するよう強く促しました。

AIチャットボット「Drift」の認証情報流出 | ISRセキュリティニュース編集局

信用情報機関TransUnion、440万人に影響するデータ侵害被害

米国の大手信用情報機関であるTransUnionで、440万人を超える顧客の個人情報が漏洩するサイバー攻撃が発生しました。この侵害は2025年7月28日に発生し、同社は数時間以内に事態を収束させました。

漏洩したのは、米国の消費者サポート業務で使用されていたサードパーティ製アプリケーションに保存されていたデータで、氏名、社会保障番号、生年月日などが含まれていました。TransUnionは、主要な信用情報データベースは無事であり、信用情報そのものが漏洩したわけではないと説明しています。

専門家は、通知を受け取っていない人でも、信用レポートの不審な動きに注意し、信用情報の凍結や多要素認証の設定といった自衛策を講じるよう呼びかけています。

信用情報機関TransUnion、440万人に影響するデータ侵害被害 | ISRセキュリティニュース編集局

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