サイバー攻撃関連 Icon
サイバー攻撃関連

今週のセキュリティニュース - 2025年11月14日

セキュリティニュース一覧に戻る
対象期間:11月10日〜11月14日
執筆者:ISRセキュリティニュース編集局

はじめに

週刊インシデントまとめへようこそ!
ここでは、国内・国外で過去数日間に起こったサイバーセキュリティ関連のニュースやレポートなど、知っておくべきことをお伝えします。ぜひご覧ください。

業界
金融業
金融業
情報通信業
情報通信業
製造業
製造業
攻撃分類
不正アクセス
不正アクセス

専門家が解説!今週のサイバーセキュリティの脅威と対策のポイント

今週のハイライト
今週のハイライト
  • 金融資産を狙う証券口座不正アクセス増加
  • 私物端末と未承認のAI利用、企業の情報漏えい懸念
  • 北米IT子会社で顧客情報や社会保障番号が流出

国内では、金融資産や業務情報を狙った不正アクセスが相次いで報告されています。金融庁によると、10月に確認された証券口座への不正アクセスは693件と前月の約2倍に増加しました。多要素認証(MFA)が普及しても、攻撃者が正規の認証をかいくぐる手口を進化させていることがうかがえます。

また、報道関連企業では、従業員の私物端末のウイルス感染を起点にSaaS型ツールへの不正ログインが発生し、1.7万人以上の情報が流出した可能性が指摘されています。企業の管理外の端末利用やログイン後のセッショントークンの窃取が被害拡大の一因となっています。

国外でも個人情報を狙う攻撃が発生しています。韓国の自動車グループの北米IT子会社では、顧客の社会保障番号や運転免許情報などが流出した可能性が報告されました。車両データと結びついた包括的な個人情報が標的となった例であり、盗難時の被害の深刻さが飛躍的に増大していることを示しています。また、従業員による未承認AIツールの使用が広がっており、信頼度の高い情報源としてAIを利用する一方で、機密情報がAIツールに誤って共有されているケースが多い点が調査で明らかになりました。

こうした複合的な脅威に対処するため、企業は技術的な防御の主軸を、外部からの侵入を防ぐ「ネットワークの壁」だけでなく、私物端末や外部AIサービスなど「情報が利用される場所」にも重点を置く必要があります。具体的には、端末管理や認証ポリシー、未承認ツールの利用制御といった運用面の強化に加え、フィッシング耐性の高いFIDO2(パスキー)によるパスワードレス認証の導入や全ユーザーへの多要素認証の適用、AI利用ルールの整備など、多層的な対策を組み合わせることが、顧客情報や業務資産を守る基盤となります。

認証セキュリティの強化をご検討中でしたら、ぜひ弊社までご相談ください。クラウドサービスへの多要素認証(MFA)導入やパスワードレス認証に関するオンライン無料相談を受け付けております。

無料相談を予約する

国内の主なインシデント

金融庁、証券口座への不正アクセスに注意喚起

金融庁は11月10日、相次ぐ証券口座への不正アクセス・不正取引の問題に関して継続的に注意喚起を行っているページを更新しました。

今回更新された情報によると、10月に確認された不正アクセス件数は693件と、前月の303件に比べて2倍に増加していることがわかります。複数の証券会社が多要素認証(MFA)の必須化を進めるなど対策をしていますが、被害を完全に防ぐことはできていないのが現状です。

証券口座に限らず、金融資産・情報資産を守るためには、フィッシング攻撃に強いMFAであるパスキー(FIDO2)認証といった、より安全で強固な認証を有効的に活用することが推奨されます。

金融庁、証券口座への不正アクセスに注意喚起 | ISRセキュリティニュース編集局

SaaS狙う不正ログイン、私物端末の管理に課題 1.7万人超情報流出

11月上旬、報道などを行う企業が業務で使用するツールへの不正ログイン被害を発表しました。秋頃に問題を把握し、パスワードを変更するなどの初期対応を行ったとしています。

被害の原因は、従業員の私物パソコンがウイルスに感染し、認証情報が盗まれたことだといいます。この被害により従業員や取引先など1.7万人を超える氏名、メールアドレス、チャット履歴が流出した可能性があるものの、取材に関する情報の漏えいは確認されていないと説明しています。

SaaS型ツールを狙う攻撃は増加傾向にあります。対策の基本は多要素認証ですが、認証済みの情報を盗む手口もあり、管理外の端末利用を含めたセキュリティ体制の強化が課題となっています。

SaaS狙う不正ログイン、私物端末の管理に課題 1.7万人超情報流出 | ISRセキュリティニュース編集局

国外の主なインシデント

韓国自動車グループ北米子会社へのサイバー攻撃、社会保障番号などが流出

韓国の現代自動車グループは、北米における IT子会社 Hyundai AutoEver America(HAEA)でのデータ侵害を公表しました。ハッカーは今年2月22日から3月2日まで9日間にわたってシステムに侵入し、その結果として、顧客の氏名、社会保障番号、運転免許証情報が流出した可能性があります。

HAEAのシステムは北米で270万台の車両と接続しており、影響を受けた正確な人数は明らかになっていません。しかし、複数の州に対して規制当局への届出が行われており、漏えい対象が多数に及ぶ可能性が示唆されています。

同社グループの車両は、走行場所や速度、住所、購入・融資情報など膨大な個人データを常に収集・送信しており、子会社HAEAのシステムへの侵害は包括的な個人プロファイルの流出につながる危険性があります。

韓国自動車グループ北米子会社へのサイバー攻撃、社会保障番号などが流出 | ISRセキュリティニュース編集局

業務での未承認AIツール利用が一般化、半数が定期的に使用

サイバーリスク監視企業UpGuardが米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、インドのセキュリティ責任者1,500名と一般従業員を対象にした調査によると、従業員の8割以上が承認されていないAIツールを業務で使用しており、そのうち約半数が定期的に利用していると回答しました。社内で正式に承認されたAIのみを使う従業員は2割未満でした。

こうした「シャドーAI」の利用は金融、製造、医療、ITなど幅広い分野で見られ、特に経営層が最も頻繁に使用していることが明らかになりました。また、製造、金融、医療分野の従業員はAIツールを「最も信頼できる情報源」とする割合が高く、同僚や検索エンジンよりも高い信頼を寄せており、上司と同程度の信頼度を示しています。

UpGuardは、AIリスクを理解していると考える従業員ほど未承認ツールを使う傾向があり、これは自分でリスクを判断できるという自信から、会社方針に反しても使用してしまうためであると指摘しています。

業務での未承認AIツール利用が一般化、半数が定期的に使用 | ISRセキュリティニュース編集局

CloudGate UNO にご興味ある方は、
こちらからお問い合わせください。